電動パワステ(H21.7)

 

最近、国産旧車のハコスカやS30Zなどにスズキ ワゴンRなどの電動アシスト付きハンドルポストを加工して取り付け、パワステ化を行うのが流行っているようです。
しかし、ハンドルポストの付け根から全て移植してしまうそうで、ハンドルがワゴンRになってしまい社外ハンドルに交換して誤魔化すしかなく、
中にはダッツンコンペハンなどを着けたくても着けられないという不満も出ているようです。
当店でも、このような依頼が2〜3年前から有り、何台か製作しましたので紹介いたします。
もちろんカスタム屋なので、より上を行きます。ワゴンRのハンドルポストを更に加工してステアリング取り付け部をオリジナル車の物に戻し
オリジナルのステアリングが着くようにし、見た目はオリジナルと変わらないように作ります。電動パワステ化はアメ車(比較的軽い車重の物)にも応用出来ると思います。

 

 
左がS48年式コロナマークUのオリジナルユニット、右がワゴンRの電動アシストパワステユニットです。
コンピューター制御されています。
 

両ユニットのステアリングのシャフトを切断し旋盤でシャフトの変換スリーブを製作しアルゴン溶接で合体させるのですが、
この時にダイヤルゲージを当ててシャフトを回転させながらシャフトの芯が振れないように修整しながら溶接しなければなりません。
100分の5(0.05ミリ)以内の精度に入れます。

 

 

  これが全て合体したユニットになります、途中かなり省略してますが、上記のシャフトの変換、アウターチューブの変換、 ユニバーサルジョイントの変換、全長のつじつま合わせ、モーターなどの位置決め、など内容は、てんこ盛りです。
ここまで出来れば、もう出来たも同じです。
 
  車輌に取り付けです、何回も位置決め、仮止めしているので問題なく着きます。配線などを繋げます。
この電動アシスト型パワステはコンピュターから送られるエンジンの回転信号や車速信号などを拾って動いているので、 コンピューターの着いていない旧車などに取り付ける時は偽のパルス信号を作り、パワステのコンピュータに送らなければ、 このパワステは作動しません。ここら辺のノウハウは企業秘密で内緒です。
   
  取り付け後です。ブレーキペダルの上の方にチラッとモーターが見えます、殆ど分からない程度です。
このクルマは既に社外ハンドルに交換されていましたが、 オリジナルに戻す事も出来るというわけです。パワステのフィーリングは止めた状態でも片手でハンドル回せ、女性でも運転できるでしょう。
 
  これはRT40コロナに装着例ですが、コラム車の場合コラムのシャフトとモーターユニット間のクリアランスの問題が出て来る為、 モーターの位置に限りが出てきます。モーターが丸見えなので不恰好ですが、ブレーキを踏むのには問題なく、快適に乗られているようです。